米へのこだわり
当店が寿し飯に使用しているのは
金魚が生息する中井さんの「いやさか米」です。
生魚やカニ殻、大豆などを熟成発酵させた特殊肥料を使って減農薬栽培したコシヒカリが「いやさか米」です。各種アミノ酸や核酸、ビタミン類など微生物の活動を促す成分を多く含む熟成発酵肥料により「土壌循環と植物バランスを整え、穏やかに無理なく肥料を効かせる」ことで健康な稲を育て、良食味米を作ります。
化学肥料は不使用、堆肥は施用せず、虫干しも根が傷むだけとして使っていません。
中井さんご夫妻/金沢市二俣
この米を作っている中井勝さんの田植え時期は一般の田植えが終了した5月の中旬以降です。平野部でコシヒカリの刈り取りが始まろうとする8月下旬になって中井さんの田ではようやく穂が出始めます。
「田植えは早く済ませたい、というのが農家の本音だが、それは人間の都合に合わせた稲づくりであって、稲の都合は二の次。私は稲の都合に合わせた当たり前の米づくりをしているだけ。特別なことをしているわけではない」また、「収穫を追うなら早稲だが品質は遅植のほうが断然上!」とも言います。
『ゆっくり確実に登熟するからデンプン質の良い、吸水力の高い米になる』のだそうです。
「とことん、ホレました!」 店主・馳 信治
葵寿しが寿司米としてこのいやさか米を使用しだしたのは7年ぐらい前です。この米を使うようになったのはスバリ、「惚れたから」。
それまでは高い米を仕入れてもムラっ気が多くて水分量が定まらず、一定品質を保ちにくい面がありましたが、このいやさか米に切替えて以降、そうした苦労から解放されました。
ただ、シャリとして店頭に出すまでにかなり試行錯誤しました。白いご飯だと文句なしに美味い米ですが、デンプンの吸収性が良すぎて以前と同じ感覚では酢がうまく中に入っていかない、良い米をどうやって最高のシャリにするか、ずいぶんと格闘してきました。
いやさか米のことを少しでも知っていただけると幸いです。